会長あいさつ
一般財団法人長野県社会福祉施設利用者互助会
会長 小松 敏幸

振り返れば、一般財団法人長野県社会福祉施設利用者互助会は、昭和59年7月、施設入所者の入院は、入院治療の長期化とともに付添介護を必要とする場合が多く、施設運営への影響のほか家族等の付き添いが困難な場合における経済的、精神的負担は非常に大きいという現状を憂慮し、設立されました。当時の設立趣意書には、「社会福祉施設入所者が将来も心配のない、やすらぎある生活を送ることが出来る」ことを願っての設立であったと述べられています。
その当時、入所施設利用者が入院治療を必要とした場合、特別なコミュニケーション支援を必要とするなどの障がい特性から病院の対応が困難となるため、施設職員、家族付添又は職業的付添者が求められました。長期化するほど経済的な負担が増すため、利用者互助会は有効に機能していました。その後、新型コロナウイルス感染症(COVID19)の蔓延や、厚労省より「看護は、保健医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、保健医療機関において患者の負担による付添看護が行われてはならない。」とする文書が発出されるなど保健医療機関における支援体制が強化され、設立当初に願った「安心して入院治療ができる制度の確立」について大きく前進しました。そして、当初利用者互助会に求められたニーズが大きく様変わりし、現在に至っています。
互助会開設以来、連綿として知的に障がいのある方の“安心して暮らせる生活の実現”について考えつづけてきた歴史があります。「形」(見た目)や「型」(習慣となっているきまりきった手順)をそのまま模倣すれば、新しい分野の領域に足を踏み入れる「開拓」や物事をより前に推し進める「促進」が止まります。伝統の中にある「思い」を大切にしつつ、新風を吹き込み、修正して磨きをかける、その繰り返しをすることで先人の思いが伝承され、新たな歩みを踏み出すことができることでしょう。
これからも、多くの支援者の皆様が大切にされてきた、暖かいまなざしと真摯な姿勢に学び、知的に障がいのある方々と共に支え合いながら実り豊かな文化を築いていかれることを願っています。今後とも、力強いご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
本会の目的
この法人は、長野県内の社会福祉施設等利用者及びその家族等の生活の安定と福祉の増進を図り、もって社会福祉の向上に寄与することを目的とする。
本会の事業
(1) 知的障がい者等に対する入院付添介護費用の給付に関する保険業務
(2) 社会福祉の増進に関する調査研究事業
(3) 社会福祉に関する啓発事業
(4) 前号までに掲げるもののほか、前条の目的を達成するため必要と認める事業